はじめに
シクロクロスはレースです。レースですから、当然追い抜けば順位は上がりますし、追い抜かれれば順位が下がります。追い抜かれたくないのは人間として普通です。ですが、レースの特性により、そこはちょっと譲っといてほしい、というシチュエーションが存在します。ここではそんなときのルールとマナーについて説明します。
周回遅れ
同時に出走した同じカテゴリーの選手同士でも、レース中1周分の差がついて、下位選手に上位選手が追い付くということがあります。そんな場合は強者優先の原則に従って、下位選手は上位選手にレコードラインを譲るようにしてください。
混走
時差発走の異なるカテゴリーの選手同士では、もっと多く追い付きが発生します。例えばC3の2分後にCM2がスタートする場合、C3の下位選手がCM2の上位選手に追い付かれることがあります。もちろんCM2の下位選手がC3の上位選手に追い付かれることもあります。そんな場合も強者優先の原則に従って、下位選手は上位選手にレコードラインを譲るようにしてください。
追い抜くとき
上位選手が下位選手に追い付いたとき、多少声などを出してアピールすることは差し支えありません。ただし、あまり乱暴な物言いはしないように。追い抜かれる選手はレース経験が浅い場合が多々あります。丁寧な言動を心がけてください。
もっとも、同じ周回数の同じカテゴリーの選手に「右行きます」などと声をかけるのは、無意味なだけでなく騙すような行為となりますので、厳に慎んでください。
シクロクロスはコンタクトスポーツである、とも言われます。ロードレース等とは違い、コーナーで差し込んだり、選手同士多少接触したりするなどはレースの一部です。特に他種目の経験のある選手は、レースの特性を理解するように努めてください。
追い抜かれるとき
下位選手には下位選手なりのレースがあります。目が後ろについてるわけじゃありませんから、追い付かれてもわからないときがあるのは仕方ありません。ですが、なるべく自分自身の周囲の状況を把握するように努め、上位選手に追い付かれたときは率先して譲るようにしてください。多少身振り手振りでアピールするのも有効です。
そんなとき下位選手が集団だった場合、追い抜きに乗じて下位選手同士でバトルを仕掛けるのは、スポーツマンシップにもとるだけでなく、危険ですので厳に慎んでください。もちろん上位選手同士でも、下位選手を利用した追い越しはしないように。
まとめ
関西シクロクロスでは、より多くの選手にレースを楽しんでいただくため、混走というシステムを採用しています。また、より長くレースを楽しんでいただくため、80%カットやラップアウトは採用していません。そのため上記のような、あまりルールでは想定されていないシチュエーションが多く発生します。どちらかといえばマナーの範疇になります。ですがどうかご理解いただき、それぞれのレースを楽しんでいただきますようお願い申し上げます。