2022年10月23日、和歌山県日高川河川敷特設会場で開幕を迎えた2022-2023シーズン関西シクロクロスも千秋楽。今季は合計10戦の開催となったシリーズ戦は、これまで2勝を挙げた堀川滉太(NEBcycling)を筆頭に、優勝こそ無いものの9戦全戦で着実にポイントを重ねてきた村田憲治(岩井商会レーシング)が2番手に付ける。柚木伸元(朝明高校)が勝率6割、出走した全レースで表彰台に上がり、3番手に位置している。
カテゴリー1では年間表彰式で総合ランキング8位までに賞金が贈られ、年間チャンピオンは5万円が授与される。全国各地で行なわれるシリーズ戦の中でも特別に熱い闘いが毎年繰り広げられる関西シクロクロスシリーズ。最終戦を前に、その展望も踏まえ気になるランキングの行方を探っていこう。
これまでの9戦を終え、現在のランキング上位10名とポイントは以下の通り。
- 1位:堀川滉太 | NEBcycling | 1010点
- 2位:村田憲治 | 岩井商会レーシング | 922点
- 3位:柚木伸元 | 朝明高校 | 800点
- 4位:斉藤和哉 | シルクロード | 718点
- 5位:川村誠 | チーム36隊 | 624点
- 6位:笛木睦紘 | 北山杉レーシング/明雅屋 | 618点
- 7位:藤田耕志 | RINGO ROAD | 526点
- 8位:腰山雅大 | All-City Cycles / 662CCC | 505点
- 9位:藤川正人 | 岩井商会レーシング | 488点
- 10位:竹之内悠 | Cinelli - Vision | 470点
シリーズ3勝の柚木伸元とシリーズ2勝の竹之内悠(Cinelli - Vision)が不参戦となる今大会だが、昨季の桂川でも優勝した竹内遼(GHISALLO RACING)に加え、2020年U23全日本チャンピオンの鈴木来人の2名が参戦予定となっている。他シリーズでも優勝をしているトップ選手2名の参戦は大いにランキングに影響する事になる。
トップ堀川滉太と、2位 村田憲治の差は88点
1位の堀川は自身が5位以内で総合優勝が確定する。2位につけている村田の動きを見て走れば良い堀川が、昨年末の故障の心配があるものの優位で桂川を迎えている。一方、村田は堀川が9位以下、かつ自身が2位以上でないと総合優勝とならないポイント差。堀川に加え、今回参戦する竹内遼と鈴木来人が村田の前に立ちはだかるのは間違い無いだろう。
3位はどうなる?
今週末オランダで開催される世界選手権出場のため、桂川が不参戦となる3番手の柚木。柚木に続く4番手にいるのが斉藤和哉(シルクロード)だ。その差は82点となっており、桂川6位以内で総合3位にランクインする。これまで9戦中4回、6位以内を獲得してきた斉藤。出走したレースの半分程度を6位以内で終える好調ぶりだが、総合ランキングを懸けた闘いとなる千秋楽ヅラガワは別物。上位6名に入るだろう選手を挙げると、如何に難しい事かが見えてくる。
中でも斉藤にとって怖い選手が、先日のマスターズ全日本選手権で斉藤と同じM35-39クラスでチャンピオンを獲得した城島大樹(Team Zenko/Cycleshop Re Belle.)だ。今季、琵琶湖GPで行なわれたM35-39クラスでも城島が先行。斉藤にとって分が悪い存在と言える。琵琶湖GPの行なわれた烏丸半島のコースと同じく、パワーコースとキャンバーを組み合わせた桂川のコースは、どのようにこの2人に作用するのか。
また、今季関西シクロクロスシリーズでは目立った活躍は無く5番手となっている川村誠(チーム36隊)は、ここ桂川で優勝ならば総合ランキング3位に浮上する。ワイルドネイチャープラザで行なわれた全日本選手権のエキシビジョンレース、シングルスピードで腰山雅大(All-City Cycles / 662CCC)とのデッドヒートの末、優勝を飾っており、僅かな可能性でも桂川優勝をすれば総合3位ではあるが、ここ一番での強さを見せ、頭脳派らしい狙い通りの走りをする川村だけに、最終戦での活躍を期待したい。
ざっと挙げただけでも6名の選手が斉藤の3位ランクインの可能性の前に並んでおり、セカンドグループの争いにも注目が集まりそうだ。
シングルスピード初の総合表彰なるか?
最終表彰対象順位となる8位にいるのが、腰山雅大(All-City Cycles / 662CCC)。例年「総合で1桁順位」を目標に掲げてきた腰山にとって、今年はその目標が実現できる位置で桂川を迎える事ができた。
直近3戦のポイントは56点を獲得し、直近3戦だけを見ると6番手という好成績だ。後に続く藤川正人(岩井商会レーシング)との差は17点。腰山が例え9位でも藤川が7位以上で終えなければ変わらない差だけに、不意のパンクといったトラブルにめぐり合わなければ、目標であった総合表彰となる。これまでの桂川ではシングルリザルトを残せていない腰山であるが、前戦の堺浜でも8位という成績で終えているだけに、今回の桂川でも上位で走る姿が見られるだろう。
最終戦 田中養蜂場 桂川を前にした各選手コメント
堀川滉太 | NEBcycling
ランキングはあまり気にしてはなかったけれど、これまで2シーズン連続の2位だったので、暫定1位で最終戦を迎える今年は、そのままタイトルを獲れたら嬉しい。年末に痛めた身体が完治はしてませんが、最終戦の桂川は出来るだけ頑張ります!
村田憲治 | 岩井商会レーシング
シクロクロス初参加の18年前から大きな怪我なく全てDNF無しで走っています(80%ルール除く)。記録更新頑張ります。
川村誠 | チーム36隊
現在ランキング5位。6位の笛木選手とはわずか6ポイント差で、母校の地元、京都で開催される最終戦 桂川の着順が今シーズンの5位争いを決する状況です。シーズン中盤からの不調からようやく持ち直してきたので、過去2年を総合6位で終えた後輩に、ベスト5位の壁をわからせようと思います。
腰山雅大 | All-City Cycles / 662CCC
関西最終戦の桂川、例年にないくらい楽しみにしています。C1に昇格して以来、関西の総合成績に食い込み、ここで表彰されることを目標に毎年頑張ってきました。現在表彰ギリギリの8位、大きく崩れなければ目標が達成できそうです。トップ争いには加われないかもですが、それでも最後まで本気で走るので応援よろしくお願いします🙏
鈴木来人
今季初のカンクロでのレースになります。いい形でシーズンを終えることができるよう、最後まで手を抜かず魅せる走りができるように頑張ります! あまりカンクロでは馴染みのない選手かとは思いますが、応援よろしくお願いします!
年間表彰式が行なわれる
カテゴリー1の他、カテゴリーL1、カテゴリーM1の合計3カテゴリーでそれぞれ年間表彰が設定されており、最終戦である桂川では年間表彰式が行なわれる予定だ。10月から行なわれてきた10戦に及ぶ熱い闘いを振り返るとともに、今季のチャンピオン、入賞者をたたえシーズンを締めくくろう。
カテゴリー1レースの出走は2月5日日曜日13時30分。大会の模様はbikintvで大会当日に配信予定だ。日本時間の同日夜に行なわれるシクロクロス世界選手権、男子エリートのスタートまでにはカテゴリー1のレースを見ることができる。
昨季の桂川カテゴリー1レースダイジェスト
TEXT&PHOTO by bikintv