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周回数について

シクロクロスは、定められたコースをぐるぐる周回するレースです。この記事では「周回数」について解説します。

要点は3つです。

  • シクロクロスではスタート時に「何周走るか」は決まっていません。
  • レースの途中から、フィニッシュ(ゴール)ライン付近で残り周回数を表示します。
  • 残り周回数「0」が見えればフィニッシュ、レース終了です。

初心者の方は、この3つを抑えておいてください。続いて、その周回数の仕組みについて詳しく解説します。

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残り周回数はフィニッシュライン付近で掲示されます

総周回数が決まっていない理由

シクロクロスでは、走行距離よりも走行時間が重視されます。

同じコースを使っていても、そのときの気象条件や、走る選手の実力によって1周のラップタイムが大きく異なってくることから、スタートする前に総周回数は決まっていません。

総周回数の決まり方

総周回数は、先頭を走る選手が1周走ってから、そのタイムを参考に、先頭でフィニッシュするであろう選手の総走行時間が、各カテゴリーの規定時間に最も近くなるように設定されます。

(例) 規定時間が30分のC3で、先頭を走る選手の1周目のラップタイムが約8分だった場合。

総周回数が3周なら総走行時間が約24分、4周なら約32分となるので、総走行時間がより30分に近い、総周回数4周に決定。

ちなみに、そのレースにラップタイムが約10分の選手がいた場合、3周回完了時ですでに30分経っていても、先頭に追い抜かれていないので4周目に入り、総走行時間は約40分になります。

残り周回数の掲示

原則として、先頭選手が2周回を完了する直前に総周回数が決定され、残り周回数がフィニッシュライン付近に掲示される数字によって、全選手に伝えられます。

周回遅れ

関西シクロクロスでは、先頭選手に追い抜かれた選手は、そのままレースを継続することができます。ただし「強者優先」を原則とし、追い抜かれそうな選手は、上位選手のポジション争いを邪魔することの無いよう、充分に配慮してください。

また、先頭選手が総周回数を完了してフィニッシュしたあとは、すべての選手がフィニッシュ扱いとなります。周回遅れとなった場合は、設定より少ない周回数でレース終了となります。

フィニッシュ近辺での交錯を避けるため、フィニッシュ直前で先頭選手に追い抜かれそうな遅れ選手は、実際に周回遅れとなっていなくてもレース終了とすることがあります。

なお、グランプリ大会の男子エリート・女子エリートでは80%ルールが適用される場合があります(後述)

混走の時差

関西シクロクロスでは、より多くの選手にレースを楽しんでもらうため、実力の近い複数のカテゴリーで同時に同じコースでレースを行ないます。組み合わせは、レース時間割に記載されています。招集は、カテゴリーごとに分けて行ないます。スタートは、カテゴリーごとに時差を設ける場合と、設けず同時発走となる場合があります。

ここでも「強者優先」を原則とし、先にスタートした選手が時差スタートした別カテゴリーの選手に追い付かれた場合は、速い選手のポジション争いを邪魔することの無いよう、充分に配慮してください。

混走の周回管理

同一周回管理とされているカテゴリーでは、一番先にスタートしたカテゴリーの、先頭を走る選手のラップタイムを参考に総周回数が決定され、共通の残り周回数が表示されます。先頭選手が総周回数を完了してフィニッシュしたあとは、同一周回管理のカテゴリーのすべての選手がフィニッシュ扱いとなります。

(例) W1・J・E2の混走レースの場合、いずれかの先頭選手がフィニッシュしたあとは、カテゴリーにかかわらず全員フィニッシュ扱い。

別周回管理とされているカテゴリーでは、それぞれのカテゴリーの先頭を走る選手のラップタイムを参考に別に総周回数が決定され、残り周回数も別々に表示されます。それぞれのカテゴリーの先頭選手が総周回数を完了してフィニッシュするまで、レースは終了しません。したがってカテゴリーごとに、フィニッシュラインでレースを終える選手と、レースを継続する選手が発生します。フィニッシュライン通過時には充分注意して走行してください。

(例) J・Uの混走レースの場合、JとUで別に周回数を決定。Uの先頭選手がフィニッシュしたあとは、Uの選手は全員フィニッシュ扱い。

一方そのあとフィニッシュラインに来るJの選手は、Jの先頭選手がフィニッシュするまで次の周回に進み、レース継続。

リタイアは報告を

レースを完了する前に、やむを得ずレースを途中で降りるときは、必ず付近の立哨スタッフ(蛍光の赤いベストを着用)または審判(赤いモンベルのハードシェル着用)に申し出てください。

世界選手権の80%ゾーン

80%ルール

UCI競技規則では、レース後方の選手が上位選手のポジション争いを邪魔することの無いよう「80%ルール」というものが設けられています。80%ルールの適用有無については、大会ごとに主催者と審判長とで協議をして決定されます。通例では、グランプリ大会の男子エリート・女子エリートのみに適用されます。

先頭を走る選手の1周目のラップタイムに80%をかけたものが、カット時間となります。そしてフィニッシュライン手前に設置された80%ゾーンを先頭選手が通過してから、おおよそのカット時間を過ぎて80%ゾーンに来た後方選手は、審判の指示に従い次の周回に入ることなく退出しなければなりません。走行した周回数と退出した順番は記録され、最終順位に反映されます。

退出するときは、安全のため減速してください。カットされるにもかかわらず無理に80%ゾーンに差し込み、姑息に順位を上げようとするような行為は危険です。厳に慎んでください。もしカットされる前に先頭選手に追いつかれたときは、上位選手のポジション争いを邪魔することの無いよう、充分に配慮してください。なお、上位選手に紛れて80%ゾーンをスルーした場合は、レース除外となることがあります。

最終周回を走行している選手は、カットされることはありません。

100%ルール(仮称)

男子ジュニア等には、80%ルールより少しだけ緩い100%ルール(仮称)が適用される場合があります。

80%ルールでは「そのうち先頭に追い抜かれそうな」選手に前もって退出を指示、100%ルールでは「実際に先頭に追い抜かれた」選手に退出を指示する、という違いがあります。

100%ルールでは、先頭を走る選手に追い抜かれてから80%ゾーンに来た後方選手は、審判の指示に従い次の周回に入ることなく退出しなければなりません。走行した周回数と退出した順番は記録され、最終順位に反映されます。

追い抜かれるときは、上位選手のポジション争いを邪魔することの無いよう、充分に配慮してください。

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