2019-2020シーズン
関西シクロクロスシリーズ終了のお礼
2020.2.29
関西シクロクロス実行委員会 矢野淳
国内でも感染拡大が懸念されるコロナウイルス感染症のため、関西クロス主催ではありませんが関西地域での2レースを中止し、2019~2020年シーズンが急遽終了することになりました。
あと少し、皆さんと一緒にシクロクロスを楽しみたかったことは残念ですが、感染症拡大を防ぐためにはやむを得ません。そして3月11日は一人ひとり、それぞれの場所で震災の犠牲者に思いをはせたいと思います。
10月の和歌山県紀の川から始まった25年目の今期は、特別企画として2月24日に開催したROSE GOLF CLUB CXを含め、例年より少し長い4ヶ月に及びましたが、楽しんでいただいた参加者の皆様、スタッフの皆様、ご支援いただきました協賛各社の皆様に対して、こころから感謝申し上げます。
今期は運営面でも更なる分業化が進みました。今回その中からお二人にもコメントをいただきます。多くの人たちに支えられながら、新たな発想に逆行するマニュアル化や、セクト主義に陥らず、これからも自分たちの関西クロスを楽しく良いものにしようという目的に向かって、参加者、主管チーム、審判団が一緒になりシクロクロス競技に真摯に取り組んでいきたいと思います。
さて、恒例の延べエントリー数集計ですが、関西クロスシリーズ全8戦、JCX 2戦とくろんど400CX、ROSE CXの12大会でエントリー計7,839人(昨期11大会:7,046人)、当日の出走者数は6,678人(昨期11大会:5,732人)と、大会数が増えたこともありますが低落傾向は歯止めがかかったかと思います。
1. スタートオーダー・カテゴリー
今年度からAJOCCランキングでシーディングを行なっていますが、前半の何度かはデータ容量の圧迫で正しくスタートオーダーができなかったこと、AJOCCコードが複数発行されることでポイントが正しく付加されず、スタートリストに反映されなかったことなどは反省点です。これは、エントリー時にAJOCCコード・誕生日などを正しく入力いただくことで改善されますので、みなさんにもご協力をお願いします。
今期AJOCCが昇格規準を見直し、昇格人数を増やしたため、シーズン中盤からM2参加者が増え出しました(その割にC3は増えなかったが)。100人走って昇格が2~3名という「難関」を考えると、昇格人数を元に戻すより、例えば技術的な難しさは別にしてシーズン中の降格など、入れ替えの活性化を図ることをAJOCCへ提案してみたいと思います。
また個人差のあるキッズの扱いや、朝の試走で一緒に走る大人がいないという理由で、参加を諦めたキッズが複数いると聞きましたので、そのことも改善できればと思っています。
キッズカテゴリの参加者増加で、子どもたちのコミュニティができてきているようです。時々試走まえに開催していたキッズたちのバイクコントロールの練習を定例化したいと考えます。
2. コース・会場設営
コース担当 佐野光宏
本格的にコースディレクターを務めて、2シーズン目を終えました。担当してから、大小様々な課題に取り組み、参加者の目に見えるところや、見えないところも含めて、色々と改善できたと感じています。
- 競技性と普及の両立
初級者には易しく、上級者には走り甲斐があるという、相反する要望を実現するため、会場によってはエリートコースを設定することで、カテゴリーのレベルにあったコースを楽しんでもらえたのではと思います。
- ホスピタリティの向上
小さなお子様がいる家庭など、利便性がより必要な参加者向けに、会場によっては優先駐車場を設定し、ホスピタリティを向上させました。エリートコースの採用もあり、複雑になったコース切り替え箇所には、看板とピンクテープを配置することで、少しでも参加者にわかりやすくするよう努めました。(ショート、ミドル、ロング、エリートの4種類もあるのは関西ぐらい)
- 人材補強
今期は新たに二人にコースデザインに挑戦してもらいました。
富田林石川では、Teamスクアドラの柿本哲治さん。JCXスチールの森京都では、662CCCの田口純也さんです。二人のコースはいかがだったでしょうか。コースデザインは、みなさんの想像以上に経験と知識が必要です。面白いコース作りよりも、安全性や、運営のしやすさや、人の導線の確保が優先されますし、ルールも熟知しておかないと、コースは作れないため、昨年8月にコース勉強会を開き、関西だけでなく、四国のコース関係者にも参加してもらって、コース設計の経験と知識を互いに補いあいました。
- 賑わいのあるブース作り
出展者のみなさまには、エリアが狭かったり、観客導線が悪かったり、ブースごとに不公平感があったりと課題が多いですが、ブースの賑やかさは、大会の盛り上がりに欠かせないと認識していますので、来期の優先課題にしたいと思います。
- 来期のより良い設営に向けて
これまでもこれからも、最優先の課題は、参加者やスタッフの安全だと考えます。
具体的な来期の目標として、シーズン通して骨折ゼロを目指します。かと言って攻略し甲斐は犠牲にしないコース作りに努めます。
コースディレクターを担当した時に挙げた課題は、この2シーズンで概ね手を付け始めました。来期は全体的に成果や精度を上げる方向で改善を進めます。
3. 広報
広報担当 上田尚徳
今期2019-2020シーズンから関西シクロクロスの広報部門を担当している上田です。公式ブログ、公式Facebook、公式Twitter、公式Instagramのすべての投稿は、自分が書きました。自分もかつて選手として関西シクロクロスに参加していた経験から、参加者が一番知りたい情報を、一番知りたいときに、一番簡単な方法で見ることができるように心掛けたつもりです。シーズン途中にあまり急激に変化させないように、少しずつ改善していったところもありますので、ウェブサイトの根本的な改良は、シーズンオフに進めたいと思っています。
定例の開催概要とリザルト以外にも、少しずつトピックス的な記事も書きました。周回数の決まり方とか、ピットの使い方とか、普段審判を兼務しているからこそ書けた記事もあります。ただ単に「ルールブックを読め」と上から言うのではなく、選手の立場にたってわかりやすく説明した方が良いんじゃないの、というのが自分の信条です。リザルトがどうやってできるのかとか、そのためのゼッケンのつけ方とか、まだまだ書きたい記事があります。来シーズンもお楽しみに。
最後にお知らせですが、選手向けにアンケート調査を実施しています。本当に聞きたいことだけを集めたアンケートですので、ぜひお答えください。
広報からは以上です。今シーズンのご参加誠にありがとうございました。
4. 運営の更なるレベルアップ
矢野淳
今期は、これまで以上に大学生や高校生の参加者を見るようになりました。若い選手がロードやMTBのオフトレであったとしてもシクロクロスに関心を持ち、参加してくれることを期待して止みません。
ある学生から機材が用意できれば参加したいと聞きました、なかなか実現できませんが貸与車やレンタルバイクのシステムができないか検討したいと思います。
また、UCIマキノの海外招待選手のサポートに新しい沢山のメンバーが協力してくれました。ホームステイや、一緒に練習するなど選手との交流は、サポートいただいた方にとっても良い経験となったのではないでしょうか。来期は是非女性の有力選手も招待してみたいと思います。
競技運営でのレベルをアップと、新たな人材発掘のため、オフシーズン中にシクロクロス審判講習会(2級及び3級)を開きたいと思います。コース設営やマーシャルでお世話になる主管チームの皆さんにも積極的に審判資格をとっていただき、希望すれば他の審判ポジションも経験して、よりコアなスタッフとして仲間に入って頂く人を増やして行きたいと思います。
5. そして世界を目指す
スイス・デューベンドルフでの世界選手権はロードレースのようなスピードと、手をついて登るような激坂の上りや、下りの映像が見られたと思います。現地で本物を見たら映像以上にすごいと思います。そんなレースに少しでも近づけたらとかねてから思っていました。
ROSE CXでは竹之内悠さんに本場を意識したコースづくりをお願いし、長年の想いがかないました。野球に例えると9回裏に満塁ホームランを(信楽の)抜けるような青空に打ち放った感じでした。
ただ、コースさえ良ければそれでいいと言うことではありません。今回UCIマキノ、JCX日吉では競技性を高めた大会を目指しましたが、その特徴を十分に際立たせることはできませんでしたし、マキノでは最悪のエントリー239人と盛り上がりに欠ける大会に終わりました。
関西クロスは普及の基盤の上に、真摯により高いレベルを目指す選手をやる気にさせるレースづくりをみんなで考えていきたいと思います。
高い志と忍耐力をもって世界に挑むシクロクロス選手を、また関西から応援して行きたいと思います。
また来シーズンレース会場でお会いしましょう!!